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【選手インタビュー#03】新井望友 ~苦境を乗り越え、得た心境の変化とは~

コラム・記事

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HERO'S TRAJECTORY #03


普段自身の感情をあまり表に出すことのない新井望友は5年目の今何を思っているのか。
そして変化や葛藤を経て心境の変化に迫りました。

昨シーズンとの違い

ーシーズンも終盤戦ですが、コンディションはどうですか?
悪くはないです。今シーズンから新しいコーチが来て、昨シーズンとは違うことをやっているので、新しいことが増えた分、自分もそこに合わせてレベルアップしていかなきゃいけないと思っています。
 
―去年とどういう点が違う?
プレシーズンからボールを使う練習が多かったと感じています。
違う辛さがありますね。去年は走って、ぶつかってだったけど、今年はスキルの練習も増えて、考えながらやるということが多い。それプラス走ったり…それはそれで大変かな。

―昨シーズンの入替戦、終盤で出番が回ってきましたがその時はどんな気持ちでしたか?
超、緊張していた!!!
緊張するのは、グラウンドの線をまたぐまでだけど、ギリギリまでは緊張で気持ち悪いです…
その日の調子はラインアウトのスローの1本目でわかるから、成功していけるかもと思いました。

―上手く行かなかったときは?
プレーが切れた時は一瞬だけ「次どうしよう」って、めっちゃ考えます。(笑) でもその考えるというのも課題を探す意味で考えています。
それでもどうにもならなかったら、試合中にジェイクさんとかに相談して確実に投げられる場所に調整してもらうようにしています。

ー開幕戦、浦安Dに勝利しました。
D1でやっていたプライドもあるので当たり前のように勝ちたかったけど、相手もパワーランナーもいて得点力のあるチームなので開幕戦に勝ったことは嬉しかったです。
ただ昇格してD1で勝っていけるチームにならないといけないので、まだまだ自分自身がレベルアップしていきたいと思っています。

-新井選手から見た今のチーム状況は?
チーム全体としての雰囲気はめっちゃいい!メリハリつけてできているかなと。
去シーズンまでは練習中に悪い雰囲気になることが多く、引きずって練習が終わってしまうこともあったけれど今シは練習の中で状況を打破することができています。
ただその中でも、ベテラン選手と若い選手との間でトークするときに、ベテランの選手は喋るけど、
若手の選手は、自分含め引っ込み思案な選手が多いから、そこは直していきたいと思います。

葛藤を乗り越えて

ー今シーズンはリザーブメンバーで出場することが多いけれどそれに対してはどう思っていますか?
もちろん2番を着られるのであればもちろん2番を着たいですけど、16番でもメンバーに入って出場する気持ちでいるから正直何番でも。という感じですね。
スタメンだったら、試合の最初から出ているって感じで嬉しいですし、リザーブだったら試合の最後のホイッスル鳴るまで出られるということもあるし。だから試合に出ることがまず一番ですね。
こう思えるようになったのも最近ですけどね(笑)

ー2年目はフランカーで出場していましたよね?
はい(笑)その時、人生で初めてフランカーの練習しました。
最初は冗談だと思っていたけど、当時のHCから「フランカーできるか?」と聞かれて…やったことがなかったけど「できます!」と言ってしまったので…

ーやったことないポジションなのに「できます」と言ったんですか?!
もちろん戸惑いもありましたよ(笑)けれどそれより何としてでも試合に出たいという気持ちが大きかったので。同期(山極大貴、本山尊、アセリ・マシヴォウ)が試合に出ていたというものあり、余計に試合に一緒に出場したいという一心でした。

ーそんな試合に出場したいと熱望している時にアッシュ選手が入団してきた当時どういう心境でしたか?
自分がFLとして出場したシーズンに(2年目)入団してきて、当時は川村慎さんと佐藤耀さんがいたから、アッシュが加入すると聞いた時は、めっちゃ嫌でした(笑)さらに壁が厚くなったなと思いました。
プラスしてそのシーズンに自分もアキレス腱の断裂で離脱したので、かなり危機感を感じていましたね。

ー試合に出るために移籍も考えたことはありますか??
その選択肢はなかったですね。そもそも自分自身もまだ当時2年目で、採用の時もGR東葛が唯一声をかけてくれたチームなので、他のチームに行くことが考えられなかったですね。
なので、当時はライバルの選手に対して「ケガさせてでも出てやりたい」と思っていました(笑)

ー厳しい状況を受け入れての高い壁を乗り越えようと。
すごく単純なことですが、誰よりも努力することで自分を安心させていました。
短所でもあるのですが、自分はネガティブな性格なので…
練習を他の選手よりも多くやらないと不安になるというか…本当に些細なことですが他の選手よりも1回でも多く練習するようにしています。

ーその考え自体は長所ですね!
そうですかね…(笑)
あとは自分を上手に表現して、リーダーシップをとってアピールできるタイプではないので、とにかくコツコツ積み上げて行動で示していこうと心がけています。

若手から中堅へ。心境の変化

ー5年目の今、新井選手に変化はありましたか?
考え方が変わりましたね。中堅層になりFWリーダーを任されて、責任感も生まれチームのために、クルーのためにという気持ちが強くなりましたね。

ーその心境が変化したきっかけはありますか?
昨シーズンの開幕戦ですかね。
2年目(2021-22)のレギュラーシーズンで1勝もできていなかったので、「マジで勝たないと」という、今まで経験したことのないくらいの危機感と重圧がありました。
花園近鉄ライナーズに勝利した時、本当に嬉しくて。その時に、“まずはチームが勝つことが一番だと感じた瞬間がきっかけですかね。
もちろんチームメイトに対してライバル心もあるし、メンバー発表されるときはいつも緊張しますよ。出場したい気持ちは揺るがないですが、勝利することが1番なので、今はベクトルを自分だけではなく、視野を広くできるように余裕を持つようにしています。


ー最後に今シーズンどういうシーズンにしたいですか?
第一は、ディビジョン1に昇格することです。
個人としては、全試合出場したいです!
自分が出てこのプレーでもし誰かがトライ取れたらよいなとか、自分自身が活躍したいというよりは勝利に貢献出来たらよいかなと思います。もちろん自分が活躍したら嬉しいですが…(笑)
誰かが活躍してくれる姿を見たら、自分のことのように嬉しい。
結果、勝てれば何でも良いって感じです。

苦しい時期に成長し、チームの勝利を第一に考える。
冷静さの中にも熱い情熱がある新井がチームをディビジョン1に導いていく。
【取材・文:有馬清香】

新井 望友(あらい みゆう)

1998年2月15日、埼玉県生まれ。ポジションはフッカー(HO)。
深谷高→東海大
2020年にNECグリーンロケッツ東葛に加入。
新井望友 | スタッフ | NECグリーンロケッツ東葛公式サイト (necrockets.net)