MATCH INFORMATION
試合情報
STARTING MEMBER
スターティングメンバー
RESERVE MEMBER
リザーブメンバー
R
16 YO SATO
R
17 SUNAO TAKIZAWA
R
18 TAKU TOMA
R
19 YOSHIYA HOSODA
R
20 LUKE PORTER
R
21 FUMIAKI TANAKA
R
22 TIM BENNETS
R
23 TAQELE NAIYARAVORO
マッチリポート
■グリーンロケッツ東葛、後半の逆転劇もつかの間、終盤にヴェルブリッツに再逆転を許す!
前半のキーワードは「我慢」だった。
NECグリーンロケッツ東葛は、試合開始のキックオフを蹴り込んでから20分近く、ほとんどを自陣で戦う“防御戦”を強いられた。
しかし、特筆すべきは、この時間帯の失点を「0」に抑えたことだった。
立ち上がりからPR上田聖、LOジェイク・ボール、FL亀井亮依といったFW陣が鋭い出足でトヨタヴェルブリッツの選手たちにタックルを浴びせかける。
12分過ぎにはゴールラインを越えたヴェルブリッツの選手を、SHニック・フィップスとCTBマリティノ・ネマニが抱え込んでトライを防ぎ、15分にはジェイクが自陣ゴール前で相手ボールラインアウトをスチール。さらにキックを追走したFLフェトゥカモカモ・ダグラスとNo.8アセリ マシヴォウが良いプレッシャーをかけて、ヴェルブリッツの反則を誘う。
こうした我慢が、22分、ついに報われる。
フィップスとWTB杉本悠馬で仕掛けたサインプレーでペナルティを誘い、ゴール前のラインアウトに。
ジェイクがボールを一度タップしてモールを組む位置をずらし、そこからモールを押し込んでダグラスがトライに仕上げた。
右端からの難しいコンバージョンも、SO金井大雪が決めて7対0。
これで、第5節の横浜キヤノンイーグルス戦から続いた無得点の時間も止めた。
グリーンロケッツ東葛は、32分にも金井がPGを決めてリードを10点に広げて、そのまま前半が終了するかと思われた。
しかし、終了直前の40分にヴェルブリッツにトライを許し、コンバージョンも決められて、10対7でハーフタイムを迎えた。
後半は、48分にトライを許して10対14と逆転される展開に。
それでも、今季2勝目を目指して執念を燃やすグリーンロケッツ東葛は、逆転を目指して攻め続ける。
54分過ぎには、キャプテンのレメキ ロマノラヴァからネマニ→WTB尾又寛汰とつないで左サイドでチャンスを作って右に展開。
CTBクリスチャン ラウイが前に出たところでさらに右へダグラス→杉本とつないで、杉本がインゴールへ。
しかし、判定はTMOに持ち込まれ、トライ寸前にボールが手からこぼれ落ちたと判定されてトライは認められなかった。
58分には、ゴール前ラインアウトからモールを組んで押し込もうとするが、押し切れずに相手ボールのスクラムに……。
そんなもどかしい時間が終わったのは64分だ。
素早く組んだモールを一気に押し込んでトライを奪い、金井のコンバージョンは外れたが、15対14と逆転した。
続くリスタートからはアセリが大きく抜け出してチャンスメイク。そこからの攻防でボールの動きが停滞すると、68分にはキャプテンのレメキが40メートル以上の距離からDGを成功させて18対14とリードを広げる。
今季2勝目までの残り時間はあと12分もない。
しかし――75分にヴェルブリッツにトライを許して18対21と再逆転されると、77分には、自陣からアタックを継続させながらラックでヴェルブリッツにボールを奪われてしまう。
結局、そこからボールを再獲得できないまま時間が経過。18対21のスコアを逆転できないまま試合が終わり、グリーンロケッツ東葛は、7点差以内負けのボーナスポイントで勝ち点1を獲得したのにとどまった。
(文 永田 洋光)
写真、およびリーダーズ・メンバーズコメントはこちら
LEAGUE ONE公式帳票はこちら
MATCH PREVIEW
試合の見どころ
1週間のバイウィークが明け、ここから再び激しい戦いが始まる。NECグリーンロケッツ東葛(以下GR東葛)は、バイウィークでは各選手が心身のリフレッシュに充て、チームとしてもここまでの課題を見つめ直し、改善へと努めてきた。2月18日、パロマ瑞穂ラグビー場で行われるトヨタヴェルブリッツ戦(以下トヨタV)では、その成果が試される。
今節のトヨタV戦では、誰よりも声を張り上げ、チームを鼓舞できる久保優が第2節の東京サントリーサンゴリアス戦以来のスタメン出場を果たす。これまではリザーブ、あるいはメンバー外という立ち位置だったからこそ、久保には感じたものがある。
「みんなチャンスで『行こう』という気持ちが強すぎて焦っていると思います。なので攻めているからこそ、アタックのポジショニングを早く確定させる。どうやって確定させるかといったら喋るしかない。バックスの選手がキャリーして、ゲインしたからこそ、その次のアタックのために誰がどこに入る、僕がここに入るというのを早く伝えて、すぐに形を作るというのを意識したいです」
無得点に終わった直近2試合もチャンスがなかったわけではない。GR東葛の今季ラインアウト成功率は、前節まででジャパンラグビーリーグワン3位の89%と非常に高い数字を残しており、直近2試合でも5メートルライン付近のラインアウトから多くのチャンスを作り出していた。
「5メートル、10メートルのラインアウトからモールにしてトライできる力はあると思いますが、そこで取れるのと取れないのとでは試合の進め方が違ってきます。ミスやペナルティーを犯し、相手ボールになってまた自陣に戻されているので、ミスなく練習してきたモールを発揮できればトライできると思う。フォワードはセットプレーで優位に立ち、相手陣地で自分たちの形に持っていけるようにする」
今季初スタメンでの出場機会が巡ってきた上田聖は、トヨタV戦でのポイントをそう口にした。
これまでの試合でも強みであるラインアウトからチャンスは作り出せている。チャンスだからこそ冷静に、かつ集中力を研ぎ澄ませ、ミスやペナルティーを犯すことなく得点を奪い切れるか。そしてチャンスで奪い切れればチームには勢いが生まれ、試合の流れは変わる。それがGR東葛にとって負の連鎖を断ち切り、開幕戦以来の勝利を手繰り寄せる鍵となる。
(文 鈴木潤)