MATCH INFORMATION
試合情報
STARTING MEMBER
スターティングメンバー
RESERVE MEMBER
リザーブメンバー
R
16 ASH DIXON
R
17 SUNAO TAKIZAWA
R
18 SATOSHI UEDA
R
19 YOSHIYA HOSODA
R
20 REN OSAWA
R
21 TATSUYA FUJII
R
22 TIM BENETTS
R
23 TOM MARSHALL
マッチリポート
GR東葛、ライナーズからボーナスポイント付きの勝利で最終戦を終える!
レギュラーシーズン最終戦は、開幕戦と同じ花園近鉄ライナーズを相手に、敗れれば最下位転落の可能性もある、絶対に負けられない試合となった。
強風下の風下という悪条件にもかかわらず、NECグリーンロケッツ東葛は、キックオフと同時にかつてチームメイトだったライナーズLOサナイラ ・ワクァに猛然と襲いかかって落球を誘う。そこから5分間、グリーンロケッツ東葛はアタックを続けたが、このチャンスは残念ながら得点に結びつけられなかった。
待望のトライが生まれたのは10分だ。
スクラムからフェイズを重ねてアタック。5フェイズ目にSO金井大雪がきれいに抜け出してWTB後藤輝也にパスをつなぐ。後藤は、トライ寸前に倒されたが、ゴール前のラックからCTBクリスチャン・ラウイが、強引に身体をゴールラインにねじ込んでトライに仕上げた。強い風にあおられて金井のコンバージョンは外れたが、グリーンロケッツ東葛が幸先良く5対0と先制した。
15分には、今度はハーフウェイラインを越えた辺りでラウイがライナーズ防御のギャップをついて抜けだし、後藤へパス。後藤は、内側をサポートしたFBレメキ ロマノラヴァの指示に従って前方にキック。レメキが慎重にボールを納めてトライを挙げた。
しかし、19分にライナーズにトライを返され、コンバージョンも決められて10対7と迫られる。
それでも24分にCTBマリティノ・ネマニがトライを挙げて15対7と引き離すが、31分にトライを奪われて(コンバージョン成功)ふたたび1点差に。
そんな嫌な流れを断ち切ったのが、前半終了間際のアタックだった。
自陣のスクラムから、ラウイ→ネマニが、ジェイク・ボールと山極大貴のLOコンビが、それぞれ手渡しパスで防御を押し下げ、ギャップができたところでネマニが快走。最後はサポートしたSHニック・フィップスがトライを挙げ、金井がコンバージョンを決めて22対14。ワンチャンスで追いつかれない点差にして前半を終えた。
しかし、風上に立った後半は、一転して立ち上がりからピンチの連続。
スクラムでペナルティをとられるなど上手く地域を獲得できない。しかも、接点でもライナーズを押し下げられず、43分、57分とトライを奪われ、22対26と逆転されてしまう。
このままライナーズを勢いに乗せると勝利までが危うくなる雲行きだったが、次のリスタート流れを一変させた。
レメキが蹴ったキックを追走した後藤が、地面すれすれにボールを確保。そのままボールを動かして、最後はWTB尾又寛汰がノーホイッスルトライに仕上げたのだ。金井がコンバージョンを決めて29対26と再逆転し、これでようやくフィフティーンに余裕が戻った。そこからの残り時間は、ライナーズ陣内でずっと試合を進める展開に。
細かいミスでなかなかトライには結びつかなかったが、72分に後藤が相手のパスミスを拾って一気に独走。2試合連続となるトライを挙げると、77分にはペナルティを仕掛けてラウイが抜けだし、最後はFLカヴァイア・タギヴェタウアがトライを奪ってゲームを決めた。しかも、このトライでグリーンロケッツ東葛のトライ数は7。4トライのライナーズに3トライ差をつけて、リーグワンで初めての5ポイントの勝利を挙げたのだ。
プレイヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)には、攻守に大活躍した後藤が選ばれた。
これでグリーンロケッツ東葛は今季を3勝13敗勝ち点14の11位で終了。ディビジョン2の2位チームとの入替戦に臨むことになった。
(取材・文:永田洋光)
MATCH PREVIEW
試合の見どころ
リーグ戦は最終節を迎える。ただ、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)と花園近鉄ライナーズ(以下、近鉄L)にとっては、これがシーズンのラストゲームではない。すでに入替戦に回ることが決定している両チーム。お互いに勝って、良い状態で入替戦へ向かうためにも、4月22日に東大阪市花園ラグビー場で行われる試合は激戦が予想される。
直近の5試合、GR東葛のスタンドオフは吉村紘と前田土芽が務めてきたが、今回の花園L戦では、金井大雪が第10節ブラックラムズ東京戦以来6試合ぶりに10番を務める。
金井は「出ていない期間は悔しい思いをしました」と心情を語る一方で、「外から見ていて分かる部分もありました。そういうところを次の試合ではうまく出したい」と話すとおり、メンバー外という一歩引いた目線で試合を見たからこそ感じるものがあった。
具体的にそのイメージ語る。
「僕の持ち味はスペースにボールを運ぶことだったり、裏のスペースを見るところ。そこでチームがうまくいっていない場面がありました。僕は自分で突破をしたり、トライを何本も取るタイプではないですが、GR東葛には力のある選手がいるので、うまくチームをコントロールして、その力を引き出したい。花園Lは前節勝って勢いに乗っているチームだと思う。接点の部分で受けに回ると苦しい展開になるので、そこは絶対に引かない」
花園Lとは開幕戦で対戦し、GR東葛はジャパンラグビートップリーグ時代と合わせて1527日ぶりの勝利を飾った。接点で絶対に引かない、それが発揮された試合であり、あの勝利を手繰り寄せた要因に金井はチームの規律を挙げた。
「開幕戦では、最後のディフェンスの場面で30フェーズ以上を守りきりました。チームとしてのまとまりや、規律を守る部分では崩れなかった。リーグ最終戦も難しい戦いになると思いますが、規律を守ることが重要になる。入替戦の相手がどこになるかということはまだ考えていませんが、両チームにとって今回の試合は入替戦へ向けて軽い試合ではない。勢いをつけて、良い形で(入替戦へ)繋げられるように、リーグ戦を締めくくりたいと思います」
開幕戦では、金井がスタンドオフとしてスタメンフル出場を果たした。6試合ぶりに出場機会が回ってきたこの大事な試合でもチームをコントロールし、あの開幕戦勝利の再現を狙う。
(鈴木 潤)