NEC GREEN ROCKETS
  • 公式facebook
  • 公式X
  • 公式instagram
  • 公式youtube
  • 公式tiktok

第10節 3/04(土) vs リコーブラックラムズ東京 マッチレポート

試合情報

シェアする

これまでも、これからも。100試合を積み上げた男は変わらずに背中で示し続ける


試合終了後、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)の選手たちは、全員が『NEC CAP 100 YOSHIYA HOSODA』とプリントされた白いTシャツを着て、細田佳也のGR東葛での100試合出場を祝った。それだけに是が非でも勝ちたい試合ではあったが、リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)に終始劣勢を強いられ、7対54の大敗でメモリアルマッチに花を添えることができなかった。


試合開始早々の前半6分にルーク・ポーターがイエローカードをもらい、一人少ない時間帯にBR東京に2トライを奪われ、一気に突き放された。さらに前半37分にもアセリ・マシヴォウがイエローカードを受けるなど、GR東葛はリズムをつかめないまま、7対35のスコアで前半が終了した。GR東葛は、後半11分にアッシュ・ディクソン大澤蓮、さらに、100キャップ達成の細田を投入。フレッシュな選手を入れて反撃を試みた。


レメキ ロマノ ラヴァ田中史朗がリーダーシップを発揮し、グイグイとチームを引っ張っていくのに対し、細田は「自分のやるべきこと、役割を実行することに注力しています」と話すとおり、彼は自分のプレーで示す選手である。細田のグラウンド内外における実直な姿勢や振る舞いはチームに好影響をもたらし、仲間からの信頼は厚い。今回の試合に関しても、田中は「ホソ(細田)は寡黙に頑張る選手で、痛いプレーでも体を張ってやってくれる。今日も出た瞬間にすごく良いタックルを決めてくれた」と細田のプレーを称えた。
だが終わってみれば試合は7対54という結果になった。イエローカード2枚にレッドカード1枚をもらい、全体的にペナルティが多く、タックルミスも目立った。また、田中は「集中力が切れてしまった」とチームの問題点を指摘。こうした結果になるのは仕方がなかった。
ただ、この敗戦でも細田が矢印を向けたのは自分自身である。
「僕ら控えの仕事は流れを変えること、勢いをつけること。そういう意識を持って入りましたが、そこで流れを変えられなかった責任を感じています」
この敗戦を受けて、チームはいかに修正していくべきか、細田に問いかけた。
「それぞれの役割、そこのポジションに立ったらやる役割はあるので、その部分をもっとしっかりやり切るしかない。特別なことはないです。タックル、ディフェンスの部分でチームのやるべきことを体現できるように、来週から練習でやっていきたいと思います」
メモリアルマッチを勝利で飾れず、悔しさをにじませながらも、細田は次の試合へと気持ちを切り替えた。彼はまた直向きに努力を続け、自分でのプレーで、そして自分の背中でチームにやるべきことを指し示す。101試合目のグラウンドでの勝利を目指して。
(取材・文:鈴木潤)
 
スターティングメンバーなどはこちらよりご覧ください。
SNSでもたくさんの写真を掲載しております。ぜひご覧ください。
NECグリーンロケッツ東葛 各SNS:InstagramTwitterFacebook

リーダーたちが見たピッチの景色

GR東葛、ミスの連鎖を断ち切れずにブラックラムズに完敗!」
~上位浮上へ、今GR東葛には何が求められているのか?~
 
前節に三菱重工相模原ダイナボア―ズから逆転勝利を収め、ホストスタジアム柏の葉公園総合競技場に戻ってきたNECグリーンロケッツ東葛。
スタンドには、前節に続いての勝利を期待するクルーが詰めかけた。
しかし――。
試合は思わぬ展開を見せる。


キックオフ後の蹴り合いからSHニック・フィップスが、地域を獲得するためのキックをリコーブラックラムズ東京陣内に蹴り込んだところまでは想定通りだったが、直後にできたラックから、ブラックラムズNo8ネイサン・ヒューズに真ん中を割って出られて大きくゲインを許す。
ヒューズを倒してなんとかラックに持ち込んだものの、そこで反則をとられて自陣深くへと戻される。
この場面は、WTB尾又寛汰が相手のパスをインターセプト。直後にブラックラムズの反則を誘ってことなきを得たが、せっかく得たペナルティがノータッチとなってブラックラムズのカウンターアタックを食らう。
マイボールを継続できずに、ふたたび自陣へと押し込まれたのだ。
6分には、LOルーク・ポーターがTMO判定でイエローカードとなり、数的不利に立たされて、9分に先制を許す。
直後のリスタートから攻め込んで、相手陣22メートルライン付近でマイボールのラインアウトを得たものの、ここではノットストレート。しかも、そのスクラムからブラックラムズにタッチライン際を攻め落とされて2つ目のトライを献上する。
20分にモールを押し込んでHO佐藤耀がトライを挙げ、SO金井大雪のコンバージョンで7点を返したが、25分にカウンターアタックからトライを奪われると、あとはほとんど見せ場を作ることなく、7対54で敗れた。
立ち上がりに連続した細かいミスが、試合の流れを大きく変えてしまったのだ。
 

キャプテンのレメキ ロマノラヴァがため息をついてこう振り返る。
「メッチャやられた試合だった。やろうとしているプランや、試合に臨む意識は良かったけど、立ち上がりからミスが続いて、全部相手のトライにつながった。それが痛かった」
確かに試合を通して、攻勢に出てもパスがつながらなかったり、キックしたボールのバウンドが合わずにチャンスを作り出すことができず、クルーのハリセンが鳴り響く場面は少なかった。佐藤のトライ直前にブラックラムズ陣内に攻め込み、ボールがレメキに渡った場面が、数少ない盛り上がった場面だった。


「うん。ボールをエッジ(タッチライン際)に運んだときはゲインできたけど、そういうアタックが少なかった。もっとやらないと。フィールドの真ん中でFWが相手防御にコンタクトするばかりだと、FWも疲れてくる。前半のトライの前みたいに外側をもっと使って、トライにつながるような形を何回も作らないと……」
そして、チャンスになりかけたところでのミスについてもこう言及した。
「今日は、ボールのつながりも悪かった。グリーンロケッツ東葛は、リスクを覚悟してフィフティ/フィフティのプレーでトライを獲ってきたけど、前節まではつながったボールも、相手側に弾んだり、こちらに来なかったりで、今日はことごとく裏目に出た。こういうプレーが上手くいくためには、ボールキャリアと周りのサポートの判断が大切。ボールキャリアが自由に動いて、サポートする選手がどんな形でボールが来ても捕れるように準備していれば、ミスは起こらない。準備する意識が大切なんだ」
 


ロバート・テイラーHC(ヘッドコーチ)は、この試合でチームの公式戦出場が100となったFL細田佳也の記念試合に完敗したことにまず触れた。
「細田は常にハードワークをいとわない素晴らしい選手。プレーの水準も高い。だから、100キャップをいい結果でお祝いしたかったのですが……残念です」
そして、こう続けた。
「今日は、前節までのいい流れをつなげようと意気込んで試合に臨みましたが、ブラックラムズのいいところばかりが出た。我々も良い準備をして臨みましたが、結果がすべて。クルーのみなさんに残念な結果しか見せられなかったことを申し訳なく思います」
試合については、ポーターだけではなく、前半37分にNo8アセリ・マシヴォウにイエロー、後半の71分には、途中出場のCTB松浦康一にレッドと、3枚のカードが出されたことに触れて、こう振り返った。
「(人数が1人少ない)14人で守ること自体がそもそも難しいのですが、3枚もカードをもらって、あれだけミスタックルを繰り返したら勝てない」
バイウィーク明けの第8節(トヨタヴェルブリッツ戦)、前節と競った試合を繰り広げ、少しずつ防御に手応えが見え始めたところでの54失点。その原因となったタックルミス、そして微妙な判定とはいえ3枚もカードが出た規律の問題を、大きな課題に挙げたのである。
 

それでも、次節にはまた東芝ブレイブルーパス東京を柏の葉に迎えてのホストゲームが待っている(12日 14時30分キックオフ)。
そこで勝利を得るためには何が必要なのか。
「試合のスタート」と答えたのは、キャプテンだ。
「いい準備をして、スタートを意識すること。ブレイブルーパスはFWが強いから、最初の10分でいい流れを作らないと勝つのが難しい。でも、そこで流れをつかめば、いい試合ができるよ。頑張ります!」
テイラーHCは「規律とタックル」を強調する。
「規律とタックルをもう一度修正することがディフェンスの向上につながります。だから、とにかくディフェンスと規律を守ることに集中して、しっかりと準備をする。今日は、タッチキックのミスも3本あって、それも試合の流れを引き寄せられなかった要因でした。そうしたミスをなくすことも意識しないといけない。ブレイブルーパスは、精度の高いプレーを続けないと勝つことが難しい相手ですから」
そして、こう決意を述べた。
「クルーのみなさんの期待に応えて、次節に良いパフォーマンスをお見せできるよう、ハードワークをする――それが今、私たちに求められていることだと思います」
入替戦に回る10位、11位、12位のボトムスリーから脱出するためにも、グリーンロケッツ東葛には、1つでも多くの勝ち点を獲得することが求められる。そして、それがイコール、ホストゲームで声援を送るクルーへの感謝を込めたパフォーマンスとなる――。
果たしてグリーンロケッツ東葛はそんな好循環を取り戻せるか。
次節は「最初の10分」に注目だ!
 
(取材・文:永田洋光)

Sportsnaviて掲載中!ご覧ください!

ホストゲームイベントの様子
ノッコン寺田とリーチマイルド