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第15節 4/16(日) vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ マッチレポート

試合情報

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GR東葛メンバー、「絶対に負けられない」次節ライナーズ戦に向けての決意を表明!
~昨季よりも順位を上げてレギュラーシーズンを終えるために求められることとは?~
 


柏の葉公園総合競技場を突然襲った雷雨もやみ、雲の切れ目から夕日が漏れるようになった試合終了後、スタジアムにNECグリーンロケッツ東葛のキャプテン、レメキ ロマノラヴァの声が大きく響いた。
「クルーのみなさん、これまで15試合、ずっと応援してくれて、本当にありがとうございました! 入替戦もしっかり勝って、また来年もディビジョン1で戦えるように頑張ります!」
今季のホストゲーム最終戦は、クボタスピアーズ船橋・東京ベイに17対59と敗れて終わったが、それでもキャプテンは下を向かず、スタンドに残った熱烈なクルーに日本語と英語で感謝の言葉を述べた。
クルーのサポートに応えたい。
そして、来季も、ディビジョン1でのタフな戦いに加わりたい。
そんな熱い思いがこもったスピーチだった。
 


勝利が2つの不戦勝だけだった昨季とは違って、今季、グリーンロケッツ東葛は、開幕戦と第9節で勝利を挙げた。しかし、それでも、次節の花園近鉄ライナーズ戦(22日 東大阪市花園ラグビー場 14時キックオフ)に敗れれば、昨季と同じ最下位に沈む可能性がある。
つまり、次節の結果次第で、入替戦の相手がディビジョン2の1位チームとなるのか、2位チームとなるのかが決まるのだ。当然、勝って少しでも有利な入替戦に臨みたい――というのが、チーム全員の思い。
そのためにはどう戦えばいいのか。
勝利へのキーポイントを、試合を終えたメンバーたちが語った。
 

スピアーズ戦を振り返りながら、「相手陣に入ってボールを継続できれば、結果も違ったのかな、と思います」と、次節へのキーポイントに「ボールの保持」を挙げたのは、今季初めて背番号9を背負って先発したSH藤井達哉だ。
実際、グリーンロケッツ東葛は、63分にこの試合で初めて相手陣22メートルラインを越えた地点でマイボールのラインアウトを確保。スピアーズの前に鋭く飛び出すディフェンスの圧力と入れ違うように、途中出場のSH田中史朗→CTBクリスチャン・ラウイ→レメキとパスを通してアタックを仕掛けた。そして、レメキが巧みなパスを途中出場のFBトム・マーシャルに通し、最後はWTB後藤輝也が快走して、嬉しい今季初トライを挙げた。


しかし、グリーンロケッツ東葛が相手陣に攻め込み、準備してきたプレーを仕掛けた場面は、これを除けばほとんどなかった。それが、42点差となって現れたというのだ。
そして、藤井は、こう付け加えた。
「自分にできることは、早いアタックで相手を崩して、トライに結びつけること。そのために、もっとチームとコミットして、細かい部分を詰めていきたい。次節は絶対に勝たないといけない試合だから、頑張ります!」
 

ロバート・テイラーHC(ヘッドコーチ)は、ライナーズ戦まで中5日と準備期間が短いことに触れて、こう話す。
「まず、今日のようにミスからのターンオーバーやペナルティで簡単に相手にボールを渡すことは絶対に避けなければならない。だから、難しいことをするのではなく、シンプルに戦うこと。高い強度でプレーを続けること。そして、セットピース(スクラムとラインアウト)で確実なプレーをすること。そのためにも、メンバーに選ばれた23人の選手たちが、最良のコンディションで臨めるように準備をします」
テイラーHCが次節のキープレーヤーに挙げるのは、コンディションが調わずにスピアーズ戦を欠場したLOジェイク・ボールとSHニック・フィップスだ。
つまり、トップレベルで数々の修羅場をくぐり抜けてきたベテランの経験が、「絶対に負けられない試合」では生きてくると考えているのだ。
「入替戦も含めて、これからの3試合は、非常に競った試合になることが予想されます。だから、彼らの高い経験値が大きな武器になるでしょう。ジェイクはラインアウトのリーダーですし、ニックは神出鬼没で攻守の大切な場面に顔を出してくれます。タイトなゲームでは、彼らの存在が、ゲームの行方に非常に大きな影響を与えるのです」

誰よりも次節を心待ちにしているのは、CTBクリスチャン・ラウイだ。
ライナーズ戦では、同郷で同期のシオサイア・フィフィタとトイメン同士でのマッチアップが予想される。その“直接対決”に闘志を燃やしているのだ。
「次節は負けられない試合なので、今まで出せなかった自分のプレーも見せて、すべてを出し切りたい。僕自身、まだまだすべての力を発揮できたわけではないと考えているので、それを出し切ること。それが、(入替戦も含めて)これからの3試合に臨む気持ちです。
これまで、トイメンはみんな自分より格上の選手ばかりだったけど、自分が彼らを打ち負かせれば彼らより上に行ける――そう思ってプレーしてきました。彼らを越えるためには、できるだけ自分の強いところを見せて戦わなければならない。特に、(次節のトイメン)フィフィタは同期なので、絶対に負けたくない気持ちがあります!」
そんなラウイは、スピアーズ戦の68分過ぎに、自陣ゴール前でパスを受けると果敢に走り出してスピアーズ防御を突破。WTB尾又寛汰につなぎ、さらにリターンパスをもらってハーフウェイライン付近まで激走した。ボールを持つ機会が少ないなかで見せた熱いプレーだった。
本人は「相手がFWの選手だったのでいける! と思いました」と笑ったが、こうしたランでチームに勢いを出すのがラウイの役割。
その仕事を全うしようというのだ。
 


「次節は、ボールを動かす展開に持ち込めば勝てるよ」と、自信を覗かせたのはキャプテンのレメキだ。
スピアーズ戦でも、グリーンロケッツ東葛は、ドロップアウト後のボールを拾ってCTBマリティノ・ネマニが20分に、相手のノックオンを拾ったFLカヴァイア・タギヴェタウアが32分に、それぞれトライを挙げている。
こうした、両チームの陣形が崩れたアンストラクチャーな状況からトライを奪うのが、今季の特徴。それを最大限に発揮したいと考えているのだ。
そのためにも大切になるのが、ミスやペナルティで相手にボールを渡さないこと。だから、カギになるのが「セットプレーからの最初の3フェイズ」だと話す。
「こちらが自分の形でボールを動かせば、トライを獲れると思う。特に、セットピースから最初の3フェイズ、ボールをキープすることが大切。とにかく、ボールを動かして、アンストラクチャーな状況を多く作ることがカギになる」
そして、入替戦まで含めたシーズンの残り3試合に向けて、今季の経験が生きると語って、こう結んだ。
「毎週毎週ハードな試合を重ねてきたのが僕たちの強み。これからの3試合では、そういう優位性を活かせると思う」
今季のグリーンロケッツ東葛は、持っているポテンシャルがいかんなく発揮されれば強豪相手にも食らいついて、少しずつ手応えを積み上げてきた。そうした実戦を通してつかんだ収穫を、来季もディビジョン1で戦うための最大の武器にしようというのだ。
今季のレギュラーシーズン最終戦となる次節は、そんな積み重ねが花開いて3勝目を挙げられるか――そして、その勢いを、入替戦での戦いに結びつけられるか――。
次節のライナーズ戦は、今季の総決算となる「決戦」だ!
(取材・文:永田洋光)



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