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【選手インタビュー#04】小幡 将己 ~酸いも甘いも噛み分けた小幡のこれから~

コラム・記事

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HERO'S TRAJECTORY #04


昨シーズン、3年目でスタメンデビューを果たした小幡将己の知られざる過去とは。
チームのムードメーカーの3年間に迫りました。

2023-24シーズンを振り返って

ー昨シーズン、振り返ってどうでしたか?
苦しいシーズンでした。チーム全員がディビジョン1に昇格したい一心でやっていました。ただ大事な試合で勝ちきれなかったということが課題だったと思います。その試合にフォーカスしきれていなかったかなと。特に、2戦目の豊田自動織機シャトルズ愛知に負けてしまったのが大きかったですね。

―小幡選手に個人とってはどのようなシーズンでしたか?
個人的には試合に出場する機会も多く、自信に繋がったシーズンでした。
でも入替戦でリコーブラックラムズ東京と対戦して、ディビジョン1との一番の違いはフィジカルで、「またもう一回鍛えなおさんとな」と痛感しました。

―シーズンオフ期間中もずっとクラブハウスでトレーニングしていましたよね。
そうですね。このままでは今シーズンも同じことを繰り返すと思ったので、今の時期はひたすら鍛えています。もう危機感ですね。

挑戦に満ちた旅路

―小幡選手は1シーズン目7試合、2シーズン目3試合、3シーズン目は5試合登録で3試合がスタメン。経歴を見るとかなりメンバーに選出されているように見えますよね。
そうですね。メンバー登録は1シーズン目からされています。でも試合に出場できなかったことが多いです。
 
―試合に出場ができない時期もあったこの3年間、心の変化はありましたか?
1・2シーズンは自分に自信がなかったです。それがやっと3シーズン目で試合にも出られるようになって、自信を少しずつ持てるようになったかなと思いますね。メンバーに選出されたことよりも、プレー時間が自信に繋がっています。
ただ、こういう取材で初めて言うことがあって…僕1シーズン目の時に戦力外になりそうになったんですよ。
 
―そんなことがあったのですね。そこからどうやって立て直したんですか?
コーチから(戦力外の)話があった直後は、フミさん(田中史朗)から、僕の顔が死んでいる。と言われていました。
その時、フミさんから「続けたかったらコーチに言ってこいよ。コミュニケーション取った方が良いぞ」とアドバイスをもらいました。僕もコーチとしっかり話をして…続けられることになりました。
本当にあの時に言っていなかったら当然今はないですし、言ってよかったと思います。
 
―フミさんの存在は大きかったですか?
かなり大きかったです!ラグビーに対する取り組み方が一流だなと思いました。
あの歳でもハードワークを続けて、自分を追い込んで、日本人・外国人関わらずとコミュニケーションを積極的に取っていたりして…個人的には何よりも感謝しています。
 
―苦労を乗り越えて昨シーズン、初めてのスタメンを獲得した時どんな気持ちでしたか?
緊張しました。本当に。
でも僕は、練習試合でも緊張するので、いつも一緒ですが(笑)
キックオフのホイッスルが鳴ってしまえばもうやるしかないので「はよ、(キックオフの)笛なってくれ」と思っています。
 
―他の選手から小幡選手は試合の週の初めからガチガチだと聞きました。
そうですね。メンバー発表されてからずっと緊張しています。スポーツ選手として良いことかはわからないですが、ポジティブな緊張というよりは、こうなったらどうしようみたいな緊張感ですね。
 
―どうやってその緊張をよい方向にもっていっていますか?
自主練ですかね。「大丈夫かな」と思ってしまうので、不安をなくしたいというのが一番です。
準備しないと気が気じゃないですね。気が済むまで練習します。
実は意外とチームソング歌う時も、急にふられたらできないので、事前にちょっと考えています(笑)
 
―小幡選手は努力タイプですね。
そうですかね。自分では努力と思っていなくて、ただ準備をしているという感覚です。
 
―準備に時間を費やすことは決して簡単なことではないと思いますが、どうしてそんなにストイックにできるのですか?
うーん…何でだろう。
辛いこともありますが、結局ラグビーが好きだからだと思います。

―小幡選手が思うラグビーの魅力はどんなところですか?
競技性です。自分自身まだラグビーの知識が浅いので周りに質問しますが、人によって考えや答えが違います。
体格もそれぞれで、誰が活躍するかわからないし、正解がないスポーツだと思うのでそれが面白いですね。他の競技にはない、ラグビーならではの魅力だと思います。

初スターティングメンバーでの出場(2024/4/28 vs豊田自動織機シャトルズ愛知)

まわりのサポート

―社員としても、4年目になりましたね。普段の仕事は何をしていますか?
我孫子事業場の施設管理が主な仕事です。
 
―もう仕事は慣れましたか?
そうですね。仕事ができているかはわからないですが…職場の方がすごく応援してくれているので、本当に恵まれているなと思います。ラグビーの話もたくさんしてくれます。
社長さんも社員の方も、試合に僕の横断幕をもって観戦に来てくださっています。本当にありがたいです。
 
―小幡選手がラグビーを始めたきっかけは?
3人兄弟で兄貴がラグビーをやっていて、その影響です。小・中学生の時は、他の習い事と比べて本当に練習がきついので、最初は嫌いでしたが…今はもちろん楽しいですよ!
 
―ご家族は試合を見に来てくれたりしますか?
はい。関西に住んでいるので頻繁ではないですが、昨シーズンは入替戦の1戦目に、柏の葉に父が見に来てくれました。入替戦の2戦目は兄貴夫婦が来てくれました。
 
―試合後一緒にご飯食べに行ったりしますか?
いや、全くしないです。家族は関西に速攻帰ります(笑)でも試合後に少し会場で会うと、勝ち負け関係なく試合のことは触れずに「お疲れさん!」と声をかけてくれますね。家族の存在は大きいです。
僕の家族は深入りしてこないので、それが居心地良いですし、試合で活躍して恩返ししたいです。

練習を終えて仕事場へ

勝つ集団へ

―これからどのようなプレーヤーとして活躍したいと考えていますか?
センターは才能ある選手やサイズが大きい選手がたくさんいます。
その中で、自分が考える、今、グリーンロケッツ東葛に必要なセンターは、試合をオーガナイズできる選手だと思っています。
周りをしっかり生かせる“潤滑油”のようなプレーヤーになりたいです。そのためには、もっともっとラグビーを勉強して理解しないといけないですね。
 
―最後にチームとしての目標は?
勝つ集団になりたいです。
どんな時でも温かい応援やサポートをしてくださる方が周りに多いからこそ、勝たないとダメですね。
勝つことが、僕たちにできる一番の恩返しなのではないかなと考えています。
 

『結局ラグビーが好きだから』
決して順風満帆な道のりではなかったが、小幡のラグビーへの情熱と絶え間ない努力が今に繋がっている。そして、周囲が応援したくなる愛される選手だ。
酸いも甘いも噛み分けた小幡が、チームの潤滑油として活躍する姿に期待したい。
【取材・文:有馬清香】

小幡将己(おばたまさき)

1998年12月25日、大阪府生まれ。ポジションはセンター。
東淀川ラグビースクール→柴島中学→石見智翠館高校→明治大学
2021年にNECグリーンロケッツ東葛に加入。
小幡将己|NECグリーンロケッツ東葛公式サイト (necrockets.net)