NEC GREEN ROCKETS
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第5節 1/21(土) vs 横浜キヤノンイーグルス リーダーズコメント

試合情報

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相手にタックルされても「もう1秒」の我慢と「ファイト」を!
~リーダーたちが振り返るイーグルス戦の敗因とブルーレヴズ戦への手応え~

向かい風に苦しめられた前半を、12対19と7点差で折り返したNECグリーンロケッツ東葛。ハーフタイムには「みんなとても自信に溢れていた」と、SHニック・フィップスは振り返った。
風上に立つ後半に、一気に攻勢をかけてスコアを逆転――誰もがそんな思いで後半のピッチに立ったのだ。
ところが――「風が弱くなった」と、キャプテンのレメキ ロマノラヴァは苦笑まじりに振り返った。
ニックも「風が弱まったのはちょっと残念だった」と証言する。
果たしてグリーンロケッツ東葛は、なかなか自陣を脱出することができず、52分に横浜キヤノンイーグルスにモールを押し込まれてトライを奪われ、7点差を12点差と広げられた。
微妙に変化した風はともかく、ピッチの上ではいったい何が起こったのか――。
 

「今日はバックスが良くなかった」と、苦い表情で振り返ったのはレメキだ。
「前半からFWはメッチャ頑張っていた。セットピース、特にラインアウトでずっと勝っていたけど、バックスはハンドリングのミスが多かったし、判断のミスも多かった。FWが頑張っていただけにもったいなかった。


後半は、もっとキックを上手く使って相手陣でプレーしていれば、FWがセットピースで勝負できたのだけど、自陣の22メートルラインからハーフウェイラインの間でエネルギーを使って、そこから前に出られなかった。何回もいいパスがつながった場面はあったけど、結局最後はミスで終わっている。確かに強い風でプレーしにくい部分はあったけど、リーグワンのレベルでは言い訳はできない。それでもプレーをちゃんとやり切らないといけないからね」


後半のキックオフから失点に至るまでの12分間に、グリーンロケッツ東葛は、何度も自陣でイーグルスの反則を誘い、ピンチ脱出の足がかりを得た。
ところが、続くラインアウトで反則を犯してまた自陣に戻される。
懸命に粘って地域をハーフウェイライン付近まで戻し、アタックを敢行しても、バックスのハンドリングエラーを拾われて逆襲されたり、パスをカットされて攻め込まれる。
52分に奪われたトライも、イーグルスNo8アマナキ・レレイ・マフィが片手でグリーンロケッツ東葛のパスをはたき、前に弾いたボールを自ら捕って防御とすれ違ったのが起点。もしボールが地面に落ちていれば、マフィの故意ノックオンでペナルティとなる場面だったが、自ら確保したために反則とはならなかったのだ。
 
12点差を追うグリーンロケッツ東葛は、それでも懸命に反撃に出たが、55分、58分と立て続けにラックでジャッカルされてアタックを継続できなかった。
スクラムの要、PR土井貴弘が言う。
「後半は、せっかくイーグルス陣内に入っても、ペナルティですぐに自陣に戻されるような展開が続いて、相手陣でプレーする時間が短かった。前に出られなかったんです。もう少し相手にプレッシャーをかけたかったのですが、変なペナルティで自陣に戻されて、もったいなかったですね」
ただ、土井は後半のパフォーマンスだけではなく、立ち上がりの自分のプレーにも悔いを残している。最初のスクラムで相手と間合いが合わず、イーグルスにペナルティを与え、そこからトライへと一気に持って行かれたからだ。
「相手との間合いをとるのが難しくて上手くバランスをとれず、ヒットができなくて、僕が落ちてしまった。その後で、駆け引きの部分でもう少し工夫できる部分があった……と話し合って修正し、それ以後は僕らの形で組めた手応えがありましたが、結果として先制トライに結びつけられた。グリーンロケッツは立ち上がりがあまり良くないので、これが今日の反省点です」
 

ロバート・テイラーHC(ヘッドコーチ)は、「フラストレーションの溜まる展開だった」と、試合を振り返る。
「前節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦(7対40)と同じような展開でした。
前半は12対19と7点差で終えたものの、試合の立ち上がりにトライを獲られています。強い相手と対戦するときには、決して立ち上がりに失点してはならないのに、それが第2節の東京サントリーサンゴリアス戦から続いている。
今日の試合で、12対24で迎えた62分に、ラインアウトがサインミスで相手に奪われた場面がありましたが、前節のスピアーズも、やはり64分にラインアウトのミスからトライを奪われている。本当に同じような展開だったのです。
後半の反撃すべき場面でも、ミスでボールを失い、ブレイクダウンでもターンオーバーでボールを奪われています。これでは勝つことが難しい。こうしたシンプルなミスが起こらないように、1人ひとりがもっとハードワークをしなければならないと思います」
 
確かにこの4試合で、グリーンロケッツ東葛゛先制トライを奪われた時間を記すと、以下のようになる。
第2節サンゴリアス戦→3分。
第3節コベルコ神戸スティーラーズ戦→2分。
第4節スピアーズ戦→3分。
そして、この試合も3分に先制されている。
土井が言う「立ち上がりがあまり良くない」が、しっかりと記録に残っているのだ。
それでも勝負を諦めずに追撃し、接戦に持ち込んでいるところは今季成長した部分だが、追撃の過程で相手を追い詰めながら、最後に突き放されている点もこの4試合に共通している。
テイラーHCが言う。
「後半の最後の20分間に集中力が薄れて失点しているところには、ちょっと不満を感じています。今日も、12対24となった後に2回続けてジャッカルされた場面がありましたが、これは、誰かが自分の役割を果たさなかったところに根本的な要因がある。個人のレベルでパスなどの精度に問題があったり、何かの要因で誰かが駆けつけるべきブレイクダウンに駆けつけられなかった。つまり、個々に自分の役割を果たせているのかをもう一度振り返り、各自がレベルアップしていく必要があります」
 
レメキは、同じ場面について「あと1秒」の我慢が必要だと話す。
「後半に続けてジャッカルされたのは、ボールキャリアがもう少し前に出ないといけなかった。ボールキャリアが後ろに下げられると、ディフェンスが前に出てきて有利になるからね。あとほんの1秒だけ、頑張ってファイトしてくれればサポートもついてくる。要因はそれだけではないし、いろいろなことが上手くいかなかった試合だったけれども、これは次節に向けての修正点」
 

こうした課題を残しながらも、テイラーHCは、次節の静岡ブルーレヴズ戦(29日 ヤマハスタジアム 14時キックオフ)に向けて、気持ちを切り替える。
こう言うのだ。
「全体的に振り返れば、今季のグリーンロケッツ東葛はよく戦っています。開幕戦に競り勝ったし、明らかに昨季から進歩している。この4試合は強豪とのタフな対戦が続きましたが、そこでの経験を活かして次節のブルーレヴズ戦に臨みたい。確かに4連敗はしましたが、その過程でしっかりファイトすることができているし、精度の高いプレーを続けている時間帯は、勝てる可能性も感じさせてくれた。頑張っている選手たちを誇りに思います。
ブルーレヴズ戦に向けては、まず1人ひとりが自分の責任において、与えられた役割を80分間確実に実行し続けるようにすること。それが何よりも大切です。これまでずっと今季続けてきた良い部分をしっかり出し切ることができれば、ブルーレヴズ戦はいい試合になる。つまり、ゲームプランを実行する精度と一貫性を高めることが勝利へのカギになるのです」
 
キャプテンの一言はシンプルだ。
「次節は絶対に勝たないといけない試合。勝てばまたシーズンの流れが変わってくる。本当に大事な試合です!」
そして、そのために必要なのがセットプレーで優位に立つことだと、土井が言う。
「ブルーレヴズはセットピースを得意にしているチーム。だから、そこで劣勢に立ったら、相手を勢いに乗せてしまう。まずスクラム、ラインアウト、モールといった部分でしっかりプレッシャーをかけていきたい。そこで対等に戦わないと、ゲームがおかしくなる。しっかりFWが前に出てセットピースで圧力をかけられれば、バックスでいいアタックができると思いますよ」
 
そう。
次節は「勝利」の2文字を、喉から手が出るくらい強く求めているチーム同士の激突だ。
世界を知るベテラン、ニックも「今季はとても良いラグビーができているので、試合を通じてプレーの強度を高めること。それが良い結果につながると思う」と、自信を覗かせる。
グリーンロケッツ東葛は、ホストエリアで待つクルーに「今季2勝目」の朗報を届けられるか。
強豪との4連戦で得た課題と収穫を胸に、静岡に乗り込む!
 
(取材・文:永田洋光)


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