NEC GREEN ROCKETS
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第12節 4/10(日) vs コベルコ神戸スティーラーズ マッチレポート

試合情報

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スティーラーズ戦でグリーンロケッツが挑んだ4つの「ビッグチャレンジ」
 
コベルコ神戸スティーラーズとの2度目の対戦には、勝利を目指して戦うというメインテーマ以外に、「チャレンジ」という“裏テーマ”があった。それも、試合のなかで直接対決する、いわゆる“トイメン”同士のチャレンジが4つだ。


背番号の若い順で言えば、この4月で入団2年目となり、この試合でNECグリーンロケッツ東葛でのファーストキャップを獲得したPR久保優がスクラムで直接対戦するのは、元日本代表で2015年のラグビーW杯イングランド大会で歴史的な南アフリカ戦勝利に貢献した山下裕史。この試合でコベルコ神戸スティーラーズでの通算150キャップとなった大ベテランだ。
SHでは、木村友憲が、昨季までチームメイトであった中嶋大希と対決。
ゲームをコントロールする司令塔のSOでも、今季2試合目の出場となったニュージーランド出身のフレッチャー・スミスが、同国代表でレジェンドとも言えるアーロン・クルーデンと対決。
そして、CTBでは、児玉健太郎が、現役南アフリカ代表で19年のW杯日本大会優勝メンバーの一員でもあるルカニョ・アムとの直接対決だ。
興味深いのは、この4つの“対決”で対戦するスティーラーズ側のメンバーが、いずれも代表キャップを持つこと。一方、グリーンロケッツ側は、日本代表として4キャップを持つ児玉以外は代表未経験。つまり、これからのキャップ獲得を目指す選手たちだ。
プレーヤーとしては、これほどやり甲斐のある「ビッグチャレンジ」はそうそうないし、そんなチャレンジが4つのポジションで繰り広げられるゲームも、かなり珍しい。
さらに、3年目で初キャップを獲得すると同時に先発に抜擢されたWTB杉本悠馬にとっても、この試合は大きなチャレンジだった。
 

そんな「チャレンジ・シリーズ」の第1ラウンドは、試合開始直後に訪れた。
グリーンロケッツがHOアッシュ・ディクソンのランからチャンスをつかみ、アタックを仕掛けたところでノックオンが起こってのファーストスクラム。位置は、右中間。スティーラーズ陣内22メートルラインを少し出た辺りだ。
いきなり久保対山下の“対戦”が行われたのだ。
組み合ったスクラムは、双方の右PR、つまり3番が前に出る形で45度ほど曲がる。
この辺りの攻防を、グリーンロケッツの3番、土井貴弘がこう解説してくれた。
「スティーラーズの3番山下が前に出る形で久保を押し込んだために、僕の左側が、押す方向とは反対側に持って行かれた。そのために、スクラムが回ってしまったのです」
その結果、グリーンロケッツの左側にスペースができた。
しかも、FL大和田立もスクラムといっしょに下げられたために、相手の10番は大和田のプレッシャーを気にすることなくスペースに走り込める。オールブラックスのレジェンド、クルーデンを走らせるために、スティーラーズが仕掛けたスクラムだった。
果たしてスティーラーズは一気に攻め込み、転がったキックがコーナーポストに当たってピッチ内に戻る幸運――グリーンロケッツにとっては不運――も重なって先制トライを奪われた。
 
もう1トライを追加され、0対10となった11分。
今度はグリーンロケッツの10番スミスが魅せた。
FBトム・マーシャルのカウンターアタックからCTBレメキ・ロマノ・ラヴァにつないで大きく前進。できたラックから出たボールを受けたLO山極大貴が、少し下がった位置にいるスミスにパス。ボールを下げたことでわずかに生じたスペースに、スミスが、ほぼ真横に放るフラットなパスを通すと、ボールはNO8アセリ・マシヴォウ(以下アセリ)に渡り、アセリがそのままポスト真下へと走り切って、グリーンロケッツでの嬉しい初トライを挙げた。
「スティーラーズのディフェンスが早く前に上がってくるのがわかっていたので、彼らが狙っている位置をずらして、防御のギャップにパスを出しました。アセリも、よく走り切ってくれた」とスミス。
「ニュージーランドでは、ああいうフラットなパスを欲しがる選手が多いからね」と、得意なプレーであることも明かしてくれた。
そんなスミスがコンバージョンを決めて7対10と追い上げる。
 


続くリスタートから自陣に攻め込まれた場面では、久保がしっかりと重たいスティーラーズFWの圧力を受け止め、スクラムでペナルティを取って、ピンチを防いだ。
久保が言う。
「最初のスクラムは相手に完全にやられて良くなかったのですが、土井(貴弘)さんやアッシュ(・ディクソン)に助けてもらいながら、試合を通してみると、そんなに悪くないスクラムだったのではないかと、自分では思っています」
まずまずの手応えだったわけだ。


アドバイスした土井も言う。
「スクラムのたびに、“もう少しこっちに寄って”とか、“今のスクラム良かったよ”と、なるべく久保には声をかけるようにしていました。うん、試合を通してけっこう良く組めていたし、だんだんスクラムが良くなってきたので、彼の自信にもなったと思いますよ」


しかし、そこからはスティーラーズに攻められてペナルティトライを含む3連続トライを奪われて、前半は7対31とリードされて終了した。

 
後半は立ち上がりにスティーラーズにトライを奪われたが、そこからじわりと反撃に転じる。
きっかけは、相手ボールのスクラムで木村がかけたプレッシャーだった。
49分。位置はスティーラーズ陣内22メートルライン付近だ。
「あのときは、スクラムが曲がったので“ここはプレッシャーをかけられる!”と判断しました。スクラムがまっすぐに組まれていたら、オフサイドをとられるリスクがあるので、プレッシャーには行かなかったでしょうね」と、木村。
実は、中嶋との“対決”を、極力意識せずに平常心でプレーすることを心がけていた、と打ち明けてくれた。
「相手ではなく、自分のプレーだけに集中するように心がけていました。もちろん、それでも意識はするのですが、とにかく自分のプレーに集中しようと。だから、いつも通りのプレーができたと思います」


プレッシャーが功を奏してグリーンロケッツが攻勢に転じ、52分には途中出場のFLカヴァイア・タギヴェタウアがゴールラインを突き抜ける。が、これはTMOの結果、その前のプレーでノックオンがあったと判定されてノートライに。しかし、アドバンテージを得ていたために、グリーンロケッツのペナルティからゲームが再開。そこから12フェイズをかけてFW戦を挑み、最後はアセリがトライに仕上げた。
「僕のトライはチームがハードワークした結果であって、たまたま僕がそのポジションにいただけ。最初のトライも、練習で何度も繰り返したプレーでした」と、物静かに振り返ったが、残り少なくなったシーズンに心がけることを尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「ボールを持って激しく前に出て、コリジョン・エリアでもしっかり戦うこと。そこにフォーカスしたい。その結果が勝利につながることを期待しています」
アセリ自身のチャレンジも、まだまだ続くのだ。

 

児玉は冷静に、そしてディフェンスに骨身を惜しまずに健闘した。
2月のスティーラーズ戦の前には、「ラグビーでは気持ちが大切」と古巣との対戦に闘志を燃やしていたが、逆にこの試合では、そうした“因縁”よりも、チームのなかで自分が果たすべき仕事に集中した。
トイメンとなったアムのことも特別に意識はしなかった。
だが、ただ1つだけ強く印象に残ったプレーがあった。
21対50で迎えた69分に、ゴール前のラックから広いスペースでパスをもらい、トライを確信してゴールラインへと加速した。
その瞬間、背後からアムにタックルを浴びせられて、トライ目前で倒された。
この後もアタックは続き、最終的には途中出場のNO8フェトゥカモカモ・ダグラスのトライが生まれたのだが、児玉にとっては倒されたことの方が強く印象に残った。
「トライだと思って飛び込んだのですが、ああいう間合いで止められたことはほとんどなかった。やっぱりすごいと思いました」
 


ロバート・テイラーHC(ヘッドコーチ)は、こうしたチャレンジの結果をポジティブにとらえている。
「今日は、スミスが次節につながるような、良いプレーをしてくれました。コンバージョンキックもすべて成功させたし、いいリーダーシップを発揮して、ゲームをコントロールしてくれました。久保も、杉本も良いプレーをしてくれたし、特に杉本は素晴らしかった。上々のデビューでしょう。意図した形で先制トライを獲れたし、FWのアタックからトライも挙げられた。4トライ奪ったことは良かったと思います」
ただし、最終的に57失点したことについては「反省点」と厳しく指摘した。


「グリーンロケッツは、ディビジョン1のなかではサイズに劣っていますが、そういうチームが有効なディフェンスをするには、早く激しく前に出る必要があります。ところが、今日は接点で少しずつスティーラーズに前に出られて、プレッシャーをかけることができなかった。その結果、相手のバックスに余裕ができて、どんどんボールを動かされたのが失点の原因です。修正するためには、引き続き接点を強化することが必要です。接点で相手を押し戻し、球出しを遅らせて、ディフェンス側に有利な展開に持ち込むこと。それが、修正すべきポイントになります」
その上で、次節のホストゲーム、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦(17日 柏の葉公園総合競技場 14時30分キックオフ)に向けて、こんな例を持ち出して勝利へのヒントを伝えてくれた。

「とにかく次節は、スクラムでもラインアウトでも、1つひとつのパスにしても、すべてを正確に遂行すること。まさに、2015年のラグビーW杯で南アフリカ代表を破り、“ブライトンの奇跡”と全世界で賞賛された、ジャパンのような戦いが求められるのです」
果たしてグリーンロケッツは、「奇跡」ならぬ「歓喜を」ホストスタジアムに引き起こせるのか。
次節から始まるホストゲーム3連戦が、今季最大の山場となる!

スターティングメンバーなどはこちらよりご覧ください。



リーダーズコメント

マイケル・チェイカDOR(ディレクター・オブ・ラグビー)

今日は、スティーラーズにいい形で早い球出しを許してしまい、それが失点の原因となりました。
ディフェンスのときは、コリジョン・エリアでもっとプレッシャーをかけて相手の球出しを遅らせたかったのですが、それがほとんどできなかった。この部分は、これから厳しく強化しなければいけないと思っています。練習にも、新しいメニューを取り入れようと考えているところです。
チームは、今日もいい形でトライを獲るなど、ポジティブな要素はありますが、反面、相手にトライを簡単に与えています。これでは勝つことが難しくなる。勝つためには、いかに相手にいいボールを出させないようにするか、しっかり対策を立てなければなりません。接点で負けて、相手にタイミングのいいボールを出させてしまえば、そこから先のディフェンスが困難になるからです。
選手たちには、メンタル面でも「オレたちはできる!」という自信を持ってもらいたい。どの試合でも懸命にプレーしていますが、それを支えるのが「できる!」という自信です。
次節に戦うクボタスピアーズ船橋・東京ベイは、今日のスティーラーズと同様にサイズの大きなチームですが、そうした自信が、トレーニングで積み重ねたことを試合で確実に遂行するときに、大きな支えとなるのです。
チームは確実にステップアップしていますが、スピアーズ戦に向けてさらにステップアップして、もっと元気に、エネルギッシュに、常に相手の前に立ち続けて早く出るようなディフェンスをできるように準備します。
 
ロバート・テイラーHC

今日は、キックを使ってスティーラーズを自陣に押し込み、相手が自陣からアタックを仕掛けてくるところにプレッシャーかけてボールを奪う――というゲームプランを考えていました。
意図した形でチーム最初のトライを獲れたし、FWのアタックからもトライを挙げられた。4トライ奪ったところは良かったと思います。
フレッチャー・スミスは、次節につながるような良いプレーをしてくれましたし、いいリーダーシップを発揮して、ゲームをコントロールしていました。久保優も、杉本悠馬も良いプレーをしていました。特に杉本は素晴らしかった。上々のデビューでしょう。
選手たちは、点差が開いても諦めることなく、80分間戦い続けて自分たちの個性を発揮してくれました。相手がトライ寸前になっても最後まで諦めることなくタックルし、トライを奪われてもすぐに気持ちを切り替えて次のアタックに向かいました。その点は誇りに思います。
今、すべての選手が、試合に出ようと懸命に努力を続けています。そうしたチーム内での競争が、選手たちのファイティング・スピリットにつながっているのです。
しかし、ディフェンスを破られてスティーラーズに8トライ奪われたことは反省点です。
グリーンロケッツは、ディビジョン1のなかではサイズに劣るチームですが、そういうチームが有効なディフェンスをするためには、早く激しく前に出る必要があります。ところが、今日は接点で少しずつ前に出られて、プレッシャーをかけることができなかった。どうディフェンスするかも、途中で明確にできなくなった部分がありました。その結果、相手のバックスに余裕ができて、どんどんボールを動かされました。それが失点の原因となったのです。
修正するためには、引き続き接点=コリジョン・エリアを強化することが必要です。接点で相手を押し戻し、球出しを遅らせて、ディフェンス側に有利な展開に持ち込むこと。それが、修正すべきポイントになります。
次節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦は、大きなチャレンジになります。
スピアーズは、スクラムもモールもパワフルです。だから、頭を使ってスマートに戦う必要があります。その上で、しっかりとタックルして、接点の攻防で相手にプレッシャーをかけ、スピード感溢れるプレーを正確に実行し続けることが求められます。
つまり、日本代表が世界を相手に戦ったようなラグビーをすることが勝つためのキーポイント。まさに、2015年のラグビーW杯で南アフリカ代表を破ったジャパンのような戦いが求められるのです。
 
 権丈太郎FWコーチ

今の状況で、選手たちは、本当に全員がすごく頑張っています。
そのなかでコーチ陣に求められる仕事は、彼らの頑張りを方向づけてあげることでしょう。
つまり、自分たちがどういうラグビーをやるかにフォーカスした上で、どう戦えば勝てるのかコーチがもう一度精査して選手に提示する。その部分を練習のなかで徹底する。それが、今季の残り4試合に向けて必要なことだと思います。
そうすれば、負けが続いたことで自信を失いがちな選手たちも、もう一度自信を取り戻すことができるでしょう。そういう状態になれば、コーチ陣も「あとはもうプレーするだけ」という状態にして、選手たちを送り出すことができる。
今は、そうやって選手たちが自信を取り戻して、チーム一丸となって戦うことが一番大切だと考えています。

プレーヤーズコメント

先発1番で初キャップを獲得したPR久保優

スクラムを強くなりたいと思っていたので、今日、(スティーラーズの)山下裕史さんと組めることは、自分にとっていい経験になると思って、試合に臨みました。ずっと、スクラムを強くなりたいと考えているので、経験豊富な選手と試合でスクラムを組めば、何か学べることがあるのでは、と思っていたのです。
最初のスクラムは山下さんに完全にやられて良くなかったのですが、全体的に見れば、土井(貴弘)さんやアッシュ(・ディクソン)に助けてもらいながら、そんなに悪くないスクラムを組めたのではないかと思います。試合中に土井さんから言われたことや、自分で試合前に考えていた足を置く位置や姿勢をしっかり実行するように心がけて、修正はできていると感じていましたから。
プレーのなかでも相手に当たり負けすることはなかったのですが、自分でも予想以上に走っている感覚があって、両足が痙攣(けいれん)してしまったのは残念でした(60分で交代)。先発で出場する以上、試合中にずっと声を出して、チームにエナジーを与える役割を果たしながら、もっと長くプレーをして、次節以降も試合に出るためのアピールにしたかったのですが……。
これからも試合に出るためには、まずスクラムを安定させることが絶対に必要だと思います。
それから、試合のなかでもっと身体を張りたい。相手にしっかりと身体を当ててディフェンスしたい。今日もそういう気持ちでプレーしていましたが、最後に周りとコミュニケーションをとれないまま前に飛び出してトライに結びつけられた場面があったので、身体を当てながらも声を出せばもっと周囲と連携を図れたのではないかと、ちょっと悔いが残っています。

久保にアドバイスしながらスクラムを支えたベテランPR土井貴弘

今季は、チームが新しくなって、スクラムの組み方も今までとは変わったし、新しいメンバーもたくさん入ってきました。そのなかで、「これがグリーンロケッツのスクラムだ」という組み方をつかむまでに少し時間がかかった。今、ようやく相手と間隔を保ってヒットして、その勢いを利用して押し込み、それでスクラムを有利にするということができてきた手応えがあります。
僕自身もヒットが得意ですし、相手とのバランスを考えながらしっかりと間隔をとれば、絶対に負けないと思っていました。今は、いい感触で組めていますね。
ただ、スクラムを修正して、確かに相手から反則をとれるようにはなりましたが、一方で僕たちがとられることもまだある。そこをもっと修正して、ペナルティを減らしたいですね。スクラムを安定させるのではなく、“攻めのスクラム”で相手を押し込もうとしているので、それがペナルティにつながるリスクはありますが、そこをしっかり修正して、チームにチャンスをもたらしたいですね。
久保には、スクラムのたびに、なるべく声をかけるようにしていました。「もう少しこっちに寄って」とか「HOに寄って」、「今のスクラム良かったよ」といったように。試合中にだんだんスクラムが良くなってきたので、彼の自信にもなったと思いますよ。
 
 初トライを含めて2つのトライを挙げたNO8アセリ・マシヴォウ

2つのトライは、自分がたまたまそのポジションにいたというだけで、チームのハードワークが導いてくれたものだと思っています。最初のトライも、ああいうタイミングを練習から繰り返していましたから、僕個人がどうこうではなく、チームの練習の成果だと考えています。
とにかく残り4試合に向けて、ボールを持って激しく前に出て、コリジョン・エリアでもしっかり戦うこと。そこにフォーカスしたいと考えています。その結果が勝利につながることを期待しています。

2度目の先発を果たしたSH木村友憲

今季は、今日が3試合目の出場でしたが、この1週間、きちんと準備をして臨むことができたので、それが自信につながった部分はありました。負けたことは悔しいですが、いつものように自分の持ち味は出せたと思います。ただ、映像を見てみないとわかりませんが、ディフェンスでは、まだちょっと迷いがあったようにも感じました。
(トイメンとなったスティーラーズSH中嶋大希を)意識してプレーするのは良くないと考えていたので、自分のプレーだけに集中するように心がけていました。もちろん、それでも意識はするのですが、とにかく自分のプレーに集中できるようにしていました。だから、いつも通りのプレーができたのだと思います。
 
こちらも2度目の先発を果たしたSOフレッチャー・スミス

この1週間、しっかり準備を重ねてきたので、今日は自信を持った上でリラックスして、いい状態で試合に集中することができました。でも、1月29日のスピアーズ戦と同じように、大きな相手を前に出して勢いを与えてしまうとなかなか止めるのが難しい、そう感じたゲームでした。
アセリのトライは、スティーラーズのディフェンスが早く前に上がってくるのがわかっていたので、彼らが狙っている位置をずらして、防御のギャップにパスを出しました。アセリも、よく走り切ってくれたと思います。
これからシーズン終盤に向けて、ゲームに出る機会があれば、キックを上手く使って地域を進め、チームがいい状況でアタックできるようにお膳立てしたい。今日の試合も含めて、チームは、ここ数試合同じような課題を抱えていますが、次節以降を見据えて、今日のゲームからしっかり学んで課題を克服するようにしたい。それが、良い結果を生むためには必要だと思います。
 
 現役南アフリカ代表ルカニョ・アムとトイメン対決をしたCTB児玉健太郎

前回2月6日にスティーラーズと対戦したときには、いろいろな気持ちが入りましたが、今日は、自分たちがやってきたことをやるだけ、という気持ちで臨みました。
ルカニョ・アムに対しても、特に意識することはなかったのですが、ゴール前で「トライだ!」と思って(自分が)飛び込んで止められたときは、ああいう間合いで止められたことがほとんどなかったので、やっぱりすごいなと思いました。
 
この試合で初キャップを獲得した3年目のWTB杉本悠馬

メンバー入りが決まったときは、「チームに貢献できるプレーをしよう」、「やってやろう!」という気持ちでした。勢いづけるプレーができれば、と思っていました。でも、大学でやっていたラグビーとは走る量が全然違った――というのが、今の素直な感想です。とにかく、メッチャ走りました。
試合のなかで見せ場はあまり作れませんでしたが、献身的なプレーはできたと思います。
この先の努力次第では、こういうレベルのなかでも「やってやれないことはない」というのが手応えです。自己採点すると、65点くらいですかね。いいところを出せた部分はあったと思いますが、まだまだ、と感じた部分もありましたから。
これから試合に出るためにも、ハイボールのキャッチが得意なので、ハイボール獲得からチャンスを作ったり、チームを勢いづかせるプレーでアピールしたい。ディフェンスでも、相手をしっかり止めてチームに勢いを持ってくるようなタックルで貢献したいですね。


 (取材・文:永田洋光)