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第6節 1/29(日) vs 静岡ブルーレブズ リーダーズコメント

試合情報

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GR東葛、静岡BRに悔しい敗戦も、「スコアして自陣に戻る。またスコアをして自陣に戻る」ラグビーの原点を学び取る!



静岡ブルーレヴズ戦を終えたロバート・テイラーHC(ヘッドコーチ)は、珍しく言葉が少なく、歯切れもあまり良くなかった。
「どうしてチャンスを活かせなかったのか、まず試合を(映像で振り返って)レビューしたい」
そんなフレーズを何度か繰り返したのだ。
これまで、どんなに悔しい敗戦の後でも、明確に良かったところと課題になったところを指摘し、そこから次の試合に向けて何をすれば良いのか前向きな言葉で語ってくれたが、この試合では、そういう言葉が出てくるまでに、いつもよりも時間がかかった。
短い空白に、勝てなかった悔しさが集約されていた。
ようやく絞り出したコメントは、こうだった。
 


「今日は、前田(土芽)を先発に起用しました。でも、後半のパフォーマンスは良かったのですが、前半はまだ本来の動きではなかった。ただ、今日は、特定の個人がどうこうではなく、それぞれの選手に良いところと悪い部分の両方が出たゲームでした」
そして、こう続けた。
「自信を持って選んだ選手たちが、実際のゲームで、安定して一貫性のあるプレーぶりを見せることができずに、連敗が続いている。そのことに少し不満があります。懸命にトライを獲ろうとした選手たちのプレーぶりには感銘を受けていますが、1つひとつのプレーの精度――パス、ラン、スクラム、ラインアウト――を一貫して上げていかないと、ミスが原因で試合に敗れる悪循環を断ち切ることはできないのです」
 


確かに、グリーンロケッツ東葛は、開幕戦から前節の横浜キヤノンイーグルス戦まで5試合続けてトライを奪ってきたが、この試合はノートライに抑えられて、連続トライ記録が途絶えた。
得点も、前節の前半28分にSHニック・フィップスのトライ、SO金井大雪のコンバージョンで7点を記録してから、この試合終了まで132分間、挙げられていない。
ボール保持時間(ポゼッション)が増えた後半は、58分に途中出場のWTB児玉健太郎がトライまであと1メートルと迫り、71分にはFLフェトゥカモカモ・ダグラスがやはりゴールラインへと迫ったが、目の前の白線を越えることができなかった。
 


その原因はどこにあるのか――権丈太郎コーチは、タックル後のボール争奪(ブレイクダウン)でアタックのタイミングが狂ったことを要因に挙げた。
「まだ試合が終わったばかりで、レビューをしていないからハッキリこうだとは言えませんが、トライが獲れなかったのは、ブレイクダウンでの攻防で、いいタイミングのボールを確保できなかったからではないか――今の段階ではそう考えています。
選手からすれば、今日は、準備したことを遂行できた手応えがあったのではないかな。
ただ、そのなかで、コンタクトの部分やこぼれ球の反応で、相手が少し上回った。当たり負けというよりも、相手にどうコンタクトするかといった当たり方や、サポートするプレーヤーが相手より早く駆けつけられなかった、という点が課題だと思います。
今日は、ブルーレヴズNo8クワッガ・スミス選手(南アフリカ代表)を警戒していたのですが、やはり彼にいろいろ仕掛けられて、ボールがクリーンに出なかったり、絡まれたり、ボールを奪われたりしました。いくら彼がこうしたプレーを得意にしているとはいえ、接点に相手の方が早く来ているからボールにからまれるわけで、本来はこちらのサポートが先に接点に着いてボールを守らなければならない。その部分が、今日の試合で改善が必要な部分だと考えています」
 


ボールを持って抜け出した味方選手のサポートについては、SO前田土芽も、こう指摘する。
「試合のなかでは、マノさん(WTBレメキロマノラヴァ)も、ボウ(No8アセリ・マシヴォウ)も、トム(・マーシャル=FB)も、ティム(ベネット=CTB=途中出場)も、みんないい形で(ブレイクして)走ってくれた。そういうところに、サポートしてついて行く意識を大切にしないと、トライを獲るのは難しい」
その上で、どこに問題があったのかを、こんな言葉で説明してくれた。
「なんと言えばいいのかな……(ブレイクした選手を)サポートしているみんなが、パスを欲しがる気持ちが強すぎて、いっしょについて行ってしまった。だから、抜け出した選手がタックルされると、サポートの選手が通り過ぎてしまう場面が多かったように思います。そこでボールキャリアが孤立してターンオーバーされてしまう。もちろん、勝たなければいけない試合ではあったし、みんながトライを獲りに行くのは良いことですが、もう少しどこかで冷静さを持たないと……。
それから、逆に、僕も含めてパスをぽんぽん放ってしまう場面も多かったので、トライを一気に獲りに行く場面と、獲り急がずに攻める場面のメリハリが必要でしょうね」
つまり、絶対に勝ちたいと思っている試合で、劣勢を挽回すべくトライを奪おうと、選手たちの気持ちが前に出すぎてしまった、というのだ。
「僕のPG失敗もそうでしたが、要所でトライを獲ったり、PGで得点できれば、もう少し流れが変わったかな……。スコアをして自陣に戻る。またスコアをして自陣に戻る――それが本当に大事だと思った試合でした」
それが、前田の総括だった。
 


さて、次節は、ホストの柏の葉公園総合競技場にもどっての埼玉パナソニックワイルドナイツ戦だ(2月5日 14時30分キックオフ)。
ワイルドナイツは、開幕から6連勝で首位を走っているが、グリーンロケッツ東葛も強豪相手のチャレンジに胸を躍らせている。
「ワイルドナイツは強いですが、僕たちはやれると思っていますし、また、やらなければならない。
僕としては、スコアをとることと、エリアをとることのバランスを上手くとりたい。また、ボールを持たせるべき、いい選手がたくさんいるので、その選手たちを上手く使うためのコントロールができれば、と考えて準備します!」
そう前田が言えば、LO山極大貴も、こう意気込みを語る。
「次節は、ホストゲームなので、僕らがやってきたことを信じて、原点に立ち返り、チャレンジャーとしてどんどん前に出て行きたい!」
ホストの地に戻ってクルーの声援に後押しされた、グリーンロケッツ東葛の渾身のチャレンジを期待しよう!
 

ゲームを終えて

・スクラム最前線で戦ったPR石田楽人

「自分たちのスクラムを組みたかったのですが、相手の組みたいスクラムに翻弄されたようなところがありました。ブルーレヴズは、あまり間合いをとらずにスクラムを組みたがっていましたが、僕たちは、身体がそれほど大きくないのである程度間合いをとって、きちんとヒットして勝ちたかった。お互いのそういうこだわりを巡る駆け引きで、ブルーレヴズの土俵に乗ってしまった――という感じのゲームでした」
 
・途中出場で今季のデビューを果たしたWTB児玉健太郎

「(58分にトライ寸前まで迫ったプレーは)内側からもディフェンスが来ていたので、外側にステップを踏むか、内側に入るか迷って、ちょっと中途半端なキャリーになってしまいました。今日は、ネックロールの反則をとられた部分(51分)と、今のプレーで相手にボールを渡したところが反省点です。ただ、他のところでは、身体も動いたし、出場した時間のなかでボールタッチの回数も多かったので、その点は良かったと思います。
(肉離れから回復して)これからは、練習から調子のいいところを見せて、しっかりとパフォーマンスを出していきたい。そして、試合に出て、チームに勝利をもたらせるように頑張りたいですね」
 
・ラインアウトだけではなくボールキャリーでも活躍したLO山極大貴

「後半は敵陣に入る時間が長かったのですが、トライを獲り切れなかった。ただ、チームがやっているラグビーは間違っていないので、あともう少し、だと思います。まず持ち味であるスクラムの安定と、チャンスでトライを獲り切る力。もう一度、アタックでの1人ひとりの役割を再確認することが必要でしょうね」
  
(取材・文:永田洋光)


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